「万人受け」を目指さないという選択

「万人受け」を目指さないという選択

ニッチは弱点ではなく、戦略になる

2026年11月

2026年3月にブランドを始めた頃から、自分の立ち位置はわかっていた。

Fancy Petit Honeyの服は甘い。

かなり甘い。

レースも多いし、リボンも多い。よく見るとレースも1着の中で違う種類を複数使っていたりする。

犬服市場全体で見れば、決して主流ではない。

おそらくニッチだと思う。

だから最初から、 万人受けするブランドになるつもりはなかった。

その代わりに考えたことがある。

SNSで勝てる服を作ろう。

街で50人に好かれる服ではなく、 写真で1万人の中から見つけてもらえる服を作ろう。

そう決めていた。

当時はただの仮説だった。

でも、少しずつ答え合わせが始まっている。

2025年に会社、2026年にブランドを立ち上げてから、 西武渋谷という、日本を代表する百貨店での出店機会をいただき、 撮影会も開催するようになった。

そこで面白いことに気づいた。

来てくださる方は、

「犬服を探していた人」

ではなく、

「Fancy Petit Honeyを探していた人」

だった。

価格を比較しているわけではない。

機能性だけを見ているわけでもない。

世界観を見て来てくださる。

これは小さなブランドにとって、 実はすごく大きな違いだと思う。

市場が大きい場所では、 競争相手も多い。

でも市場が小さくなるほど、 熱量は上がる。

撮影会でもそうだった。

想像以上に長く試着される。

想像以上に写真を撮られる。

想像以上に新作を楽しみにしてくださる。

ニッチだから売れない。

昔はそう思っていた。

今は少し違う。

ニッチだからこそ覚えられる。

ニッチだからこそ選ばれる。

そんな場面を何度も見るようになった。

もちろん、市場規模だけで見れば大きくない。

もっと売れる商品もあると思う。

もっと効率の良いやり方もあると思う。

でも、小さなブランドが大企業と同じ戦い方をしても勝てない。

だったら違う戦い方をした方がいい。

シェアを取るのではなく、 記憶を取る。

全員に好かれるのではなく、 強く好きになってもらう。

それが今のFancy Petit Honeyの考え方なのよね。

タイムラインを埋め尽くすことはできないかもしれない。

でも、

「あ、このブランドまた見つけた」

と思ってもらえる存在にはなれるかもしれない。

小さなブランドにできることは意外と少ない。

だからこそ、 やることは単純だ。

その一着を見た誰かが、

「この世界観、好きだな」

と思ってくれるかもしれないからだ。

ブランドを続ける理由としては、 それで十分な気がしている。

その方が、 記憶に残るから。

Founder K.